明石市の部品メーカーさんの採用ブランディングを行いました。業務内容や商品、企業規模はもちろんのこと、それ以上に、他の部品メーカーと違ってどうなのか、どんな人たちが働いているのか、職場環境は?人間環境は?現役学生へのヒアリングによって分かった、就職活動をしている学生が実は一番知りたいことを、中心にWEBサイトの情報設計、動画の構成を決めました。 登場する社員さんには、別の社員さんがインタビューすることで、普段の会話のような繕わない本音を話してもらうことができました。
CREDIT
主要取引先に、誰もが知る大手企業さんを持ち、同時にまるで小さな町工場のようなチームワークと人間関係の空気の良さ、これが共存していることが、採用活動を行う上でこの会社の最も武器になる。
依頼を受けて、担当者さんやインタビューに登場する社員さん、社長とお話したり、工場見学をしたときの何気ない社員さん同士の会話の雰囲気から、社外の人間なりにぼくたちが感じたことをメインのコンセプトにしました。
精密機械の部品メーカーとして「円いものはまんまるに、平たいものはまったいらに〜」という企業理念がもともとあったので、
その延長線上で「このチームは円い。」というキャッチコピーにコンセプトを集約し、「いい大きさのチーム」であることを訴求しました。
一次選考を兼ねた会社説明会に参加、エントリーする学生をもっと増やしたい、そのために会社紹介の動画を作りたい、という相談を受けました。
ところが、「動画を最後まで見る学生はすでにその企業にある程度関心のある学生」であること、課題はその前のフェーズにあることを提言し、予算の追加と採用WEBサイトを同時につくること、就職サイトの掲載情報を見直すこと、就活生のニーズ理解とカスタマージャーニーマップからしっかり設計していくことに合意をいただいて、プロジェクト設計を行いました。
学生が知りたい情報と、それを知りたい段階、これらを伝える方法を丁寧に設計することを心がけました。
「社員インタビュー」というコンテンツは、採用サイトや採用向け会社紹介動画の定番ですが、単純に採用サイトに載っているインタビューの動画版では意味がない、動画に求める役割をまず決めることにしました。
学生が企業の採用サイトに感じる「いいところばかり見せているのでは?」「インタビューに答える社員も上司からしゃべる内容を指示されているのでは?」等の、いわゆる「実際に入社してからのギャップ」を払拭する役割を動画に与えることに。
インタビュアーにも社員さんを起用し、用意された質問に対して普段どおりしゃべってもらう様子、時には談笑する様子を、なるべくそのまま使いました。サイト上の写真や文章からでは伝わりきらない、会話の雰囲気やある意味「ほんとっぽさ」を伝えるツールとして、動画を仕上げることを心がけました。
一方、サイト上のインタビュー文にはその分やや真面目な内容を採用することで、役割分担を行いました。
サイトのトップページでは、実際の労働環境や人間関係にフォーカスした情報を中心に、
就職サイトのアイキャッチ画像や紹介文も、一連のカスタマージャーニーマップに則ったものへ、それぞれ変更を行いました。
その結果、翌年の会社説明会エントリー者数が1.5倍になり、説明会に参加した学生の8割以上が、事前によく企業について理解できたとアンケート回答をしてくれました。人間関係や雰囲気についてもギャップがないというリアクションが多く、採用担当者も、エントリーする学生の質が上がり、「採りたいと思った子を採ることができた」という結果を得ることができました。
サイトリリース後も、継続したサイト解析と改善、就職サイト掲載情報のPDCAなどを行っています。
コーポレートカラーの濃いブルーとの相性と、社員さん同士の仲が良く明るい雰囲気の表現で、黄色をキーカラーにしています。
「データで知る大窪鐵工所」のページでは、トーンを抑えながらも複数の色を使ってインフォグラフィックとしてまとめました。
動画内では、実際にインタビューに答えているシーン以外の部分において、社員さん同士の談笑する様子、ランチ場面のほか、工場内の様子や作業風景など、これ1本を見れば、会社説明会に行きたいかどうかの判断はできそうなものを目指して、仕上げています。
メインコピーである「このチームは円い。」の題字は、お人柄どおりの優しい字を書く社長に実際に書いてもらっています。
書いてもらっているシーンも、動画の最後に登場します。