神戸市で2代に渡って営む工務店さまのWEBサイトリニューアルに際して、提供価値、顧客や将来的な見込み顧客とのコミュニケーションなど、クライアントとの会話を重ねて整理、再定義し、競合優位性やブランドキャラクターを策定しました。サイトの目的や運用体制についても定め、派生的にロゴのリニューアル、名刺デザインも行いました。
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地元に根ざし、DIY教室やイベントも定期的に開催する、いわゆる「地元の工務店さん」といった感じのはっさく工務店さん。親子2代に渡って神戸市西区で営まれ、事務所から町内を見渡しても手掛けた家々がちらほらあって、施主さんご家族も世代またがった長いお付き合いのところが多いとのこと。
そのことも頷けるくらい、創業者のご家族を中心に、みなさんその人柄がにじみ出るような”しゃべりやすい”人たちで、これがこの会社の最大の武器だろうと、顔が見え、人柄が見え、その言葉に気軽に触れられるWEBサイトに仕上げました。
同時に、オンライン上での差別化要素として、「ねこのいる暮らし」を考えられる工務店としての訴求を強化しました。自宅にも数匹の猫がいる八朔社長にとって、猫にとっての暮らし心地を考えることは日々身近なことで、当事者として提案ができるだろうと予てから得意としてきたことだったため、改めてWEBサイトリニューアルに際して差別化要素として再確認しました。
当初のご依頼では、WEBサイトが古いからリニューアルしたいということだけが決まっていました。新たなメンバーの加入も予定されており、これまでよりもWEB周辺にリソースを割いていけるかもしれないという背景と、施工実績や発信するコンテンツの更新頻度を上げたいという要望があったことから、運用体制とともに更新のしやすさ、同時にサイトを訪れる人にとっての楽しみ、通い甲斐といった観点からも、サイト設計をしました。
クライアントと接する中で特に感じた「しゃべりやすさ」は、人柄ももちろんのこと、リフォームや家造りなど一生に一回の大きい買い物をしてもらう立場として、施主の要望をしっかり吸い上げて会話を重ねながらプロジェクトを進行するという役柄、培われたものなのだろう。なおかつ、前から「地元の知り合い」だったかのようないい距離感でお話ができることが印象的でした。
この会話のしやすさ、距離感をどう表現しようかと考えたときに、なるべく彼らの言葉、言い回しをそのまままとったサイトに、それらがどんどん日々サイトをつくり続けていくような設計にしようと、メディアサイトのようなUIを採用しました。
「はっさく通信」という紙モノの配布物を、定期的に発行しており、その中にあるメンバーで順番にまわしている4コママンガのコーナーが好評だということで、ある意味ゆるいコンテンツや、年間で新築は5棟までしか受けない、などといった企業としてのスタンスを伝えるページなど、情報の性質はさまざまなものが混在する形となっていますが、一貫してどのページも一定の「しゃべりやすい」話し言葉のようなトーンで書かれています。
これが、等身大の「はっさく工務店」をよく表現しているように思います。
「はっさく」とは創業家の名字「八朔」さんから来ていますが、親しみやすさと会話のきっかけにと、みかんの八朔をモチーフにロゴをリニューアル、このイエローを基調としたイラストをアクセントにしながら、その他はクライアント自身でつくっていく読み物が主役になるようにと、抑えめのトーンで仕上げています。箱、容器のような位置づけです。
「はっさく」=みかんの?というアイデアは、クライアントでも以前から薄々思ってはいたそうですが、なかなか勇気が出なかったり誤解を招かないかと懸念があったりしたものの、WEBサイト全体の構成、雰囲気と総合して検討した結果気に行ってくださり、各メンバーの名刺にもイラストとともに大きくあしらわれています。