二子玉川の再開発の前から、商店街で20年以上の歴史を持つ名店「鮎ラーメン」のEC強化の施策の一貫として、炎天下に1時間並ぶ夏の名物「鮎涼ラーメン」のオンライン販売スタートをMakuakeにて行いました。新たに虎ノ門ヒルズに2店舗目をオープンし、持ち前のリピート率を発揮する一方で、事業をスケールさせるため、もっと多くの方に食べてもらうきっかけとして、第一弾の施策と位置づけて実施。160人の方に支援いただきました。
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炎天下でも多い日には1時間待つこともある、夏の昼限定の名物冷静つけ麺「鮎涼ラーメン」を、オンライン販売用に改良してMakuakeに出品することに。その季節限定であることもあいまって、1日に2回食べに来る人もあれば、遠方からでも夏には必ず食べに来る人など、店頭を中心としたアナログのコミュニケーション、コアなファンを持っていました。Googleの口コミ数も多く、評価は4.4と高得点。
そんなファンに支えられたお店は、一方でお店がWEBマーケに注力できずにいることから彼らの応援心がもたらしたものとも言え、ある意味これから、賢くWEBマーケ、SNS、Makuakeのようなことを実施していく”鮎ラーメンらしくなさ”を、どのような形で新たなターゲットも獲得し、これまでのファンも落胆させないアウトプットができるか、これをプロジェクトのテーマにしました。
20年以上の歴史と根強いファンを持つ二子玉川本店、2020年から虎ノ門横丁へ出店した2店舗目、それに続く3店舗目としてのECの柱、つまりコロナ禍にもタフな、オンラインのチャネルで1店舗分くらいの売上をつくりたい、という相談を受けました。
それまでECサイトを持ってはいるものの、特に注力できておらず、マーケティングや運用自体を行うリソースも不足していたため、その売上目標実現へ向けて、数年をかけるプロジェクトであることを理解していただいた上で、取っ掛かりとして、まだ鮎ラーメンを知らないラーメン好きをターゲットにMakuakeを実施することにしました。
既存のメンバーだけでは、劇的に売れても困るし、ずっとこのメンバーで捌ける物量を続けているわけにもいかない。これまでにいっぺんに大量の発送をしたこともないから、まずはメンバーの理解やECの体制構築が必要ということで、チームビルディングから着手しました。どのゴールへ向かっていくための通過点で、どんなプロセスを経ていくのか。これを言語化、可視化し、店主(社長)とすり合わせながら整理していくことで、現実的な売上目標を策定しました。
自分たちが現時点ですでに持っているバリューはなにか。味やファンの多さ、リピート率の高さや鮎へのこだわり、そしてこれらはMakuake上で文字で、写真でうまく伝わるのか。「鮎ラーメン」らしい不器用さは残すべきか、はたまたMakuakeでは新規獲得に振りきってて、シズル感のある写真や派手なコピーで訴求すべきか、このさじ加減やバランスは何度も話し合いを重ねました。
結果的には、「鮎ラーメンらしさ」を優先。もっと言うとデザインやマーケティングの専門家が関わったようなアウトプットにはなるべくしないようにしよう、という着地点になりました。矛盾するようですが、あくまで情報の整理や現状ある価値の伝わりやすさにとどめ、派手な訴求は行わず、「応援したい鮎ラーメン」であり続けることを選びました。ある意味不完全な方がいいだろうと。
撮影した写真も、ごくいつもの鮎ラーメン、おおげさなレタッチも行わず、一見おとなしそうで実は明るく優しい店主な自然な笑顔を引き出す程度。それはMakuakeらしくないアウトプットだったかもしれませんが、結果的に160人を超える新たな顧客を獲得し、EC強化をしていくための社内理解と、同時に課題を見直すきっかけとなりました。