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兵庫県多可町にて地鶏と養鶏の事業を手掛ける株式会社加美鳥。有名洋菓子会社への販売などの実績も持つ一方で、出荷先が小売店への薄利な卸に依存した状況下で、いつかはと事業主も考えてきていたECサイトでの直販体制の構築を行いました。小規模事業者持続化補助金による資金調達にはじまり、価値定義、戦略策定からリリース後の運用まで支援しています。

CREDIT

CL /株式会社加美鳥
PM / 丸山誠也
PH / C /丸山大貴
D /森井春佳
加美鳥

CONCEPT この卵の圧倒的優位性はこれしかない

関西人のみならず、洋菓子好きなら誰もが知るであろうパティシエ・エス・コヤマにて、加美鳥の「播州地卵」は、2003年開業当初より採用され、バウムクーヘンやプリンの材料に使われている。加美鳥のすでに持っている価値の中で、最も伝わりやすく、そして何よりのUGCであると、これを軸にブランディングをすることに決めました。
こだわった製法、飼料の卵、平飼いで大事に育てられた鶏、もはやこれら「ちょっといい卵」は全国津々浦々、さまざまな個性と背景を持ったブランドが存在し、味、卵としてのクオリティを純粋に比較する機会は少ない、機会があってもそれらの良し悪しを明確に分かる消費者はそう多くはないだろうと仮定し、それよりもこの卵に出会うきっかけと初めて買う動機、ここに重きを置きました。

それが、「お菓子作りの材料」としての卵、という価値でした。

加美鳥

REQUEST やりたいけどいつまではない

エスコヤマへの販売は安定している一方で、その他の出荷先は県内や近隣のスーパーへの卸が中心。そして薄利、数を捌こうにも平飼いでのびのびと育てる鶏たちの体調によることもあれば、そもそも鶏の数が足りない。こだわって作っている割に、スーパーで並ぶと一般的な価格のものと高級卵との間でどっちつかずな存在感。供給体制と消費者とのコミュニケーションにおけるこういった課題、そして何よりほぼ事業主自身が生産者としての業務に日々忙殺され、新しいことに取り組む余裕と勇気がない、という状況でした。

やらないといけないのは分かるけど、いつまでにという期日は忙しくて決められない。経営者のその心理に寄り添いながら、より納得のいく形で事業を進めるためのロードマップを策定し、価格への自信とターゲット像の解像度を上げることを目的に、まず東京でマルシェ出店を実施しました。

加美鳥

SOLLUTION ひょんなきっかけで買ってもらえる顧客体験に

東京でのマルシェ出店、西脇市での弊社主催のマルシェへの出店などを重ね、事業主自身のモチベーションがあたたまってきたところで、実施すべきタスクと進め方、制作する成果物についての説明をし、納得には数ヶ月を要しましたが、意思が固まったところで次は資金調達。期日まで2週間というタイミングでしたが、多可町商工会の横畑さんの協力により、小規模事業者持続化補助金の採択を無事受けることができました。採択により、さらに事業主が前向きに考えるようになったことは、その後のプロジェクト進行をさらに円滑にし、その頃にはずいぶんと信頼関係が深まっていたように思います。
資金使途のうち、ECサイトの開発費は最小限にshopifyをノーコードで実装、リスクの低いインフルエンサーマーケティングを継続的に行っていくことに予算を投下しました。UGC集めから着手しています。

「普段買っている卵を別のブランドに変えることは、いつも行っている床屋を変えるくらいのことで、わざわざ変えない」この事業主の言葉から、そもそもシビアな取捨選択をする場面で勝負をしない、ひょんなきっかけで買ってもらえる顧客体験の設計を目指しました。

そういう意味では、一般的なスーパーは比較的不利。反対にマルシェやSNSでの信頼するインスタグラマーによる紹介は相性がいいと。「いつも買っている卵、どれにしようかしら」ではなく、「お菓子作りで材料にもこだわるあなたにぜひ一度使って欲しい」の方が、ユーザーにとってトライする必然性が芽生える。

加美鳥

DESIGN 「こだわり卵の市場」で見劣りしないデザインに

この事業における「デザイン」は同質化要素に過ぎず、他社に見劣りしないレベルを目指し、そこからさらにクリエイティブに工数を割かないというコストバランスでプロジェクトを進行しました。デザイン案を選定するフェーズでは、すでに事業主との信頼関係もあったので、手数が増えることもなくスムーズに着地しました。
そういったコストバランスゆえ、写真も外注せずに社内で対応、緑の豊かな土地でのびのびと「平飼い」されていることと、生産者の顔と鶏への(生産者なりの)愛情がそれとなく伝わるようなことを意識して取り組んでいます。

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